建設業法改正③ 持続可能な事業環境の確保

これまで建設業法の改正について見てきましたが、今回は「持続可能な事業環境の確保」について見ていきましょう。今回の改正で、建設業許可の取得に関する部分では、一番重要なポイントです。

持続可能な事業環境の確保

経営業務管理責任者に関する規定を合理化

今回の改正の一番重要なポイントです。これまでは、建設業許可を得るためには、実務経験5年以上という要件を満たす人が役員に就任する必要がありました。今後は、事業者全体として適切な経営管理責任体制を有することを求めることになります。建設業許可を取得するにあたり、この実務経験5年以上というのがネックになるケースがこれまでありました。今後は設立間もない会社であっても、許可が得やすくなると思われます。

合併・事業譲渡等に際し、事前認可の手続きにより円滑に事業承継できる仕組みを構築

合併・事業譲渡に関する改正
従来は、合併や事業譲渡をした場合、合併で消滅した会社の持っていた建設業許可は存続会社には引き継がれないため、消滅会社の事業を継続して行おうとするときは、合併後改めて建設業許可を取得する必要がありました。このやり方では合併後にしか許可申請ができないため、事業の空白期間が生じてしまう状態でした。今回の改正では、合併・事業譲渡等に際し、事前許可の手続きを踏むことで、空白期間なしに事業承継ができる事になりました。
相続に関する見直し
従来は、建設業者が個人事業主である場合、個人事業主が亡くなったとき、後継者は改めて建設業許可を受けるまでは営業できない状態でした。今回の改正で、個人事業主の死後30日以内における相続の認可手続きが新設されました。これにより、後継者は個人事業主の死後30日以内に許可を申請すれば、行政庁から許可又は不許可の通知がなされるまでの間、建設業許可を受けたものとして扱われます。