社会保険等の請求③ 厚生年金
厚生年金は、払込期間中に被保険者が亡くなったときと、年金受給中に亡くなったときに遺族給付が受けられます。
今回は払込期間中に亡くなった場合を見てみましょう。
遺族厚生年金の支給要件
- 被保険者が死亡したとき
- 被保険者の資格喪失後(厚生年金の被保険者でなくなったとき)に、被保険者であった間に初診日がある傷病により、当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき
- 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
- 老齢厚生年金の受給権者又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合計した期間が25年以上ある者が死亡したとき
- 保険料納付要件は、原則として死亡した者について、保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。
受給権者の収入要件
遺族厚生年金を受けるためには、受給権者の年収が850万円未満であることが必要です。
遺族の範囲
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者との生計維持関係のある配偶者・子・父母・孫及び祖父母となります。ただし、妻以外は下記の通り年齢制限があります。
子と孫
子と孫については、満18歳に達する日の属する年度の年度末までにある者、又は障害等級の1級、2級の障害の状態にある20歳未満の者であって、結婚をしていないこと。
夫・父母・祖父母
夫・父母・祖父母については、被保険者又は被保険者であった者の死亡当時55歳以上である者。ただし、遺族厚生年金は60歳から支給されます。
遺族の順位
遺族の順位は、①配偶者・子 ②父母 ③孫 ④祖父母となります。
妻の受給期間
妻の受給権には年齢制限はありませんが、受給期間は年齢により違いがあります。
65歳未満で子のない妻が受けられる遺族厚生年金
- 子のない30歳未満の妻の場合
- 子のない30歳以上の妻の場合
- 子のない40歳以上65歳未満の妻の場合
5年間の有期年金になります。
65歳に達するまで受けられます。
40歳から65歳までの間、遺族厚生年金の他に、中高齢寡婦加算(遺族基礎年金の4分の3)が加算されます。
事実婚について
遺族厚生年金は、事実婚(いわゆる内縁関係)の場合でも支給対象になりますが、①事実婚関係にあるかどうか ②生計維持関係があるかどうか の経過と現状の申立が必要になり、認められれば支給されます。
提出書類
- 国民年金・厚生年金保険遺族給付年金請求書
- 国民年金・厚生年金保険遺族給付年金請求書 別紙
- 死亡した者の年金手帳又は年金証書及び請求する人の年金手帳
- 請求する人及び加算額の対象となる人と死亡した人との身分関係を明らかにできる戸籍謄本
- 死亡診断書・死亡検案書・検死調書等のいずれか
- 請求する人の所得証明書等
- 請求する人の住民票
- 加算額の対象となる子がいる場合、子の住民票
- 事実婚の場合、事実婚関係及び生計同一関係に関する申立書
提出時期
支給事由が生じた日の翌日から5年以内
提出先
事業所を管轄する年金事務所
受給額
受給額の計算は非常に複雑なので、税理士等にご確認願います。