受益者

受益者は、委託された財産から生じる利益を受ける人ですが、信託契約の当事者ではありません。当事者はあくまでも委託者と受託者ですが、受益者は受託者に対して、信託行為に基づいて、信託利益の給付を受ける権利を有しています。

受益者の権利

 信託財産への強制執行等に関する異議申立権
 受託者の権限違反行為の取消権
 受託者の利益相反行為に対する取消権
 信託事務の処理の状況について報告を求める権利
 帳簿等の閲覧又は謄写の請求権
 損失のてん補又は現状の回復の請求権
 受託者の法令・信託違反行為の差止請求権
 裁判所に対する受託者解任の申立権
 裁判所に対する新受託者選任の申立権

監督

上記のように、受益者の権利を確保するために、受益者は受託者に対して様々な権利が認められています。しかし、受益者にそのような監督責任を負わせるのは、荷が重い場合があります。このような場合は、受益者に代わって、受益者の権利を守る者を置くことができます。これは、信託管理人・信託監督人・受益者代理人と呼ばれますが、委託者が信託契約の中で設定することも可能ですし、裁判所の手続きの中で選任することも可能です。